こんにちは!
ツアラテックジャパン、テストライド係の水谷です。
さてさて、当店のニューカマー、ハーレーダビッドソン パンアメリカ1250がやって参りましたので早速走ってきましたよ〜。 アドベンチャーバイク乗りの視点でレポートしていきたいと思います。
まずはスタイリングから
他の何にも似ていないフロント側。重厚感がたっぷりですね。ヘッドライトは光っている部分で上にあるのはコーナリングランプ。下に見える円形のものはウィンカーです。フォグランプじゃ無いんです。
タイヤサイズはアドベンチャーバイクのベンチマークとなったGSと同じでフロントは120−19,リヤは170−17です。ココでGSと大きく違うのはホイールベースです。
GSの1550mmやKTM1290の1557mmに対してパンアメリカ(以下:パンナメ)は1580mm。
ハンドル切れ角は確保されていますが小回りはあまり得意ではありません。
後ろから見た感じは意外とスリムでスッキリしています。縦置きVツインのエンジン部分がスッキリしているのも影響しているのでしょう。
走りの方ですがなかなかパワフルなエンジンで1250のGSと良い勝負の加速感でした。エンジンをかけた時のノイズはかなり大きめで排気音と言うよりもメカノイズが大きめです。 ハーレーと言うことでハーレーらしい鼓動があるかな?とちょっと期待していたのですがそこはとても現代的な味付けで規則正しくアイドリングしており基本的にスムーズなエンジンです。
高速道路も100キロ以上で高速巡航してきましたがパワフルなエンジンとしっかりした直進性でとても快適でした。追い越し加速や合流時の加速はなかなか鋭いです。スクリーンは4段階で高さを調整出来ますが一番下にしているとヘルメットを上から下におさえつかられるような感じで高速走行向きじゃありませんでしたが一番上にしたら快適!
シートは表面が触り心地の良い加工がしてあります。また、とてもソフトでふわふわです。柔らかすぎて逆にお尻が痛くなるんでは無いか?と思いましたが乗ってみると座り心地も良く連続2時間程度のライドではお尻が痛くなることもありませんでした。
触り心地の良い表皮
それでは気になるあちこちを見ていきたいと思います。
レギュレーターとバッテリーの搭載位置
フロントタイヤの真後ろにレギュレーターの冷却フィンがエンジンガードから飛び出た状態で搭載されています。その奥にちょっと赤く見えているのがバッテリーの+ターミナルです。ココにバッテリーも搭載されているんです。 ここら辺は走行場所によっては水没するし、巻き上げた石や障害物が激突してくる場所です。この状態だと林道でもちょっと段差があるようなところだと非常に不安なので、何かしら対策したいですね。ツアラテックから早くしっかりしたガードが出てくれば良いのですが・・・ バッテリーが水没しても大丈夫なのかも不安なところです。いま、ディーラーさん経由でメーカーさんに聞いてもらっているところなので回答をもらえたらお伝えしたいと思います。
2021年11月26日追記 ディーラー様から早速回答をいただきました〜 バッテリーは川渡り中やその途中でスタックするようなこと(10分程度)で水没していても大丈夫だそうです。
そうそう、この純正エンジンガードは厚さ約2mmのアルミ製ですが手で押しただけでも変形するレベルなのでオフロードに入るなら(パンナメオーナーってオフロード行かないのかな?)強化したいところですね。
ステップ
普段ワイドステップに乗り慣れているせいだと思いますが、ステップが小さくてちょっと頼りない感じです。2枚目の写真のようにラバー部分が簡単に取り外せるのでオフロードに行く時は(パンナメオーナーって・・・以下略)外していった方が良いですね。安定性とか体重移動とか考えるともうちょいワイドにしたいところです。
コーナリングランプ
赤丸で囲んだ部分がコーナリングランプです。どうせ気休め程度でしょ?とあまり期待してなかったのですがなかなかどうして頼れるやつでした。バイクがバンクすると3段階で光っていきます。ちょいバンクの時には1灯、まぁまぁバンクで2灯、グッとバンクで3灯がひかって、ヘッドライトの照射範囲+5mくらいを照射してくれます。低中速くらいのコーナーでくらいところだと安心感が格段に上がります。バンクしているのと反対側のランプが光ります。調子に乗ってスラロームとかすると付いたり消えたりして楽しめます。^^
バイクがバンクした時に反対側のランプが光るのが分かりますね。
自動車高調整機能
これは私を含む平均的な身長の日本人ライダーにはありがたいしシステムです。停止前(時速15km以下)になると自動的に車高が40mmほど下がって足付き性を向上します。これは本当にありがたいシステムですね。足を出すと地面に届くってとってもナイス!(笑) これには4種のセッティングがあり、1.スピードが落ちると車高が下がる 2.完全に停止してから0.5秒後に下がる 3.完全に停止してから2秒後に下がる 4.下がらない から自由に選べるようになっています。なかなか見つからなかったのですがライドモードメニューの奥に隠れていました。
今回はモード3(停車2秒後に車高が下がる)に設定して動作確認してみました。
サイドスタンド&センタースタンド
サイドスタンドはかなりのくせ者でした。 とても便利なARH(車高調整機能)ですが車高が下がった状態だとバイクを直立にした状態でサイドスタンドを出していくと出し切る前に接地してしまします。なのでバイクを反対側に傾けないとサイドスタンドの出し入れが出来ないのでとても大変です。特にこのARH機能がありがたいライダーにとってバイクをバンクしないとスタンドが出せないのはとてもやっかいなことです。なんとか改善していきたい点の筆頭候補ですね。 良い点としては、ハーレー独自の機構によりサイドスタンドが不用意に上がってしまうと言うことを防げているところです。 個人的にはオフロードではサイドスタンドが潜ってしまったり、足場が悪いところに停めるというシチュエーションが沢山あるのでロック機構よりも上げ下げを簡単にできるサイドスタンドが欲しいと思いました。
リヤキャリア
うーん・・・と唸ってしまう大きさと強度です。交換前提の設定でしょう。アドベンチャーバイクと言えばロングツーリングやキャンプってイメージが強いと思いますが最大積載量が2.5キロとはいただけません。こちらも早急に強化したものに交換したいパーツですね。
始めてカメラ翻訳というものをしてみました^^ 間違いなく2.5kgです。
タンデムアシストバー
リヤキャリアとも絡みますがこちらも完全にプラスティック製です。センタースタンドをかける時に力を入れる場所ですがぐらぐらと動いて強度不足は否めません。先日パンナメで来店されたお客様はタチゴケして引き起こす時にこのバーがもげてしまったそうです。ココがもげると力を入れる場所が無くなるので1人で引き起こしが出来なくなってしまうでしょう。早急に強化したい場所ですね。
ハンドガードとミラー
タチゴケなどした時にレバー同様真っ先にダメージを受ける部分ですがハンドガードはリヤキャリア同様ペラペラのプラスチックです。ミラーは見やすく調整もしやすいのでGOODですが割ったり折ったりする前にアドベンチャーフォールディングミラーなどに交換するのがオススメです。
アドベンチャーフォールディングミラー取付後 なかなか似合います。右側は逆ネジアダプターが必要ですのでご注意下さい
トラブル
個体差であるとは思いますがエンジンがかかりづらい事象が頻発しています。セルモーターのボタンを押すとキュイーンと子犬が鳴くような何か動物的な音がしてエンジンがかかりません。救急車両の音に聞こえなくもありません。その後何回かチャレンジすれば大抵かかります。外れの個体だったかも・・・(涙)11月26日追記:この件についてディーラーさんから連絡があり、スターターピニオンの噛みが悪いと上記のような症状が出るとのことでした。 ハーレーの新型エンジン(1250の水冷)ではこれはこういうものだということだそうです。^^
一度は本格的にかからずにセルモーターが回り続けるという変な事象が発生しましたがその後何事も無かったかのようにエンジンがかかりました。ただし、しばらくエンジン出力制限のような状態になって体感的には20馬力くらいのエンジン状態が30分ほど続きましたがしばらく休んで再始動するとパワーも戻ってきたので安心しました。エンジンチェックランプは点きっぱなしになっていて現在原因と対応についてはディーラーさんに問い合わせ中ですので続報をお待ち下さい。
最後に・・・
安全装置の考え方の部分ですが、パンナメはABSは完全オフには出来ません。せめてリヤだけでも・・・と調べたのですがオフにならないのです。ですからブレーキターンは出来ません。 あと、トラコンも切れません。若干ゆるくする設定はあるのですが完全オフには出来ないのでドリフトも出来ません。ショボーン。そうそう、ウィリーも出来ません。必要があるかないかという部分では無く遊び心というか・・・ね。ウィリーしようと思ってもクラッチをポンとつないでフロントが上がった瞬間に燃料カット。さみしい・・・(笑) この方達にお休みしていただく方法をご存じの方いらっしゃいましたら御連絡お待ちしております。
それでは皆さんまた!
撮影協力はアヒル隊長 こと Yumi
文章はSexy Taro こと 水谷でした〜